クルトンが息を引き取ったのは夜11時過ぎでした。
本来であればなるべく早めに火葬の手配を進めるべきだとは思いますが、母の仕事の都合等で予約がとれたのは亡くなった翌々日。
クルトンの遺体は、火葬の日まで2日と半日間リビングのクルトンのサークルの中で安置していました。
みんなと一緒にいられた本当に最後の時間です。
火葬までの数日、クルトンの遺体をどのように安置していたかを書いていこうと思います。
火葬までの2日間、適切に遺体を安置する
火葬までの時間が空いてしまった場合は、自宅で適切に遺体を安置する必要があります。
遺体は冷やすべき。 常識としてわかっていても、死の直後はなかなか行動に移せませんでした。
亡くなった当日は、死んでしまったとは思えないくらい温かいクルトン。
死後硬直ですぐに全身硬くなってしまうかと思ったのですが、顔や手足などの末端以外はあまり硬直が進まず、体も柔らかいまま。

もしかしたらまだ戻ってきてくれるかも
とクルトンが死んでしまった現実を直視できませんでした。
一晩隣で一緒に過ごしましたが、朝になってもまだぬくもりを感じます。

氷を直接あてるなんて冷たすぎてかわいそう
そのぬくもりを奪うことで死を認めてしまうような気がして、「冷やす」という行為にためらいを感じていました。
遺体が傷む速度は速い
できればこのままの姿で火葬まで寝かせておいてあげたいという気持ちがあったのですが、遺体が傷む速度は想像以上に早いです。
クルトンを亡くしたのは、涼しくなってきていたとはいえ9月のはじめ。
通常遺体を安置する際は温度管理をしないとどんどん腐敗が進んでしまいます。人間が寒いくらいにエアコンをきかせてはいたものの、エアコンの調整だけで腐敗を遅らせることはできません。
大型犬の安置には3キロ近いドライアイスが必要。ドライアイスってどこに売ってるの?
亡くなった次の日の昼過ぎに、ドライアイスを買いに行きました。
火葬のために連絡をしたペット霊園で、大型犬なら一晩3~4キロくらいのドライアイスが必要と教えていただきました。
しかし、そんなにたくさんのドライアイスなんてどうやって入手したらよいのでしょう。
ドライアイスは氷屋さんで!
ドライアイスが必要になった場合は、氷屋さんに行くのが一番確実です。
ドライアイスを売っている場所って意外と知らないものですよね。
コンビニやホームセンター等でも扱っているところは見たことがありません。
小型犬であれば、スーパーでもらえる小粒のドライアイスでも対応できると思いますが、大型犬の安置にはかなりの量のドライアイスが必要になります。
もちろんインターネットで販売しているところもありますが、ペットの死は予測できません。
あらかじめ頼んでおくことができないので、注文から発送までの時間がかかってしまいます。
腐敗が始まってしまうと急速に遺体が傷んでしまうため、死後の安置のためにドライアイスを購入したい場合はインターネット注文は向かないと思います。
ほかにも、ドライアイスの入手方法として
- 人間の葬儀屋さんに頼むと少し分けてもらえる
- プロパンガス屋さんが保管していることもある
という情報もありましたが、我が家はそういった場所には問い合わせなかったため本当なのかはわかりません。
ドライアイスを販売している場所を探しておく
我が家の場合はペット霊園で近所の氷屋さんを紹介していただき、とても助かりました。
その氷屋さんは商店街の一角にあったのですが、それまで何度も店の前を通っていても氷屋さんがあることは全く知らず・・・。
普段生活していて氷屋さんにお世話になることなんて滅多にないですよね。
近所に氷屋さんがあるかを把握している方は少ないと思います。

大型犬のシニア犬を飼っている場合は、わんちゃんがまだ元気なうちでも近所にドライアイスを販売している氷屋さんがあるか調べておくことをオススメします!
大型犬の安置には、1晩につきドライアイス4キロあると安心
初日は、ブロックのドライアイスを1キロずつスライスして切り出した3キロ分購入しました。お値段は1キロ600円。
ひとつひとつの厚さは20cmほど。スーパーでもらえるような細かいタイプよりはスライスのほうが気化しづらく、長期間遺体を安置する場合はスライスのほうが適しているそうです。
ドライアイスを家庭で保管するはまず無理です。
仮にドライアイスを冷凍庫に保管していても、気化の時間が少し延びるくらい。
ドライアイスは毎日必要な分だけを購入したほうがいいでしょう。
念のため保冷材(1つ100円)も10個購入しました。
ドライアイスを置く場所は脳・内臓を意識して
帰って早速クルトンにドライアイスを置いてあげました。
ドライアイスを置いた場所は、クルトンのお腹・首元・お尻の下。
内臓の腐敗が一番早いため、脳や臓器がある場所を重点的に冷やしたほうがいいそうです。
初日は、ドライアイスを直接体にあてることにどうしても抵抗があり、新聞紙とタオルでくるんであげました。
しかし3キロでは全身を冷やすには足りませんでした。
厚さ20cmスライスでも24時間で気化してしまう
厚さ20cmあるスライスといっても24時間経つと気化してなくなってしまいます。
また、ドライアイスは買い置きができないため、次の日改めて購入が必要でした。
初日に3キロでは全身をカバーするには足りないと感じたので、2日目は4キロ購入。
やはり、おなかは一方からでなく上下で挟んであげたほうがいいように思います。

大型犬には4キロあったほうが安心です!
保冷剤では水滴が出てしまう
ドライアイスでカバーできない部分は保冷材をあてていましたが、保冷材の欠点は、溶ける際にパッケージ周辺に水滴が発生すること。
タオルで包んだとしても、置いた場所はどうしても湿ってしまうため衛生的にあまりよくないと感じました。
不織布という紙のような質感の布を使用したタイプの保冷剤もあります。
さらに、ドライアイスと比べると溶けるスピードがかなり速く、冷凍庫に戻しても完全に凍るまでに時間がかかります。ありったけの保冷材を交互に使ってもかなりの頻度で交換が必要です。
ドライアイスは直にあてるほうが効果的
2日目になると、なんとなくにおいが出てきました。
ドライアイスをタオル等でくるんでいると、やはり冷え切らないようです。
ドライアイスを直接肌にあてていると、その部分がカチカチに凍ってしまいます。
凍らせてしまえば、腐敗の進行を止めることができます。
カチカチに凍らせるなんてすごくかわいそうな気がしてしまいましたが、このまま腐敗が進んでしまうと火葬場まで運ぶのが “より” 大変になってしまうんですよね。
不本意ながら、2日目からはクルトンに直接ドライアイスをあてることにしました。
フタつきの箱に入れてあげるとより長い時間安置が可能
ペット霊園の方にもう一つアドバイスをいただいたのは、フタつきの箱のなかにドライアイスと遺体を寝かせてあげるとドライアイスのもちもよくなり、長期間の安置でも腐敗が進みづらいということ。
火葬する際、木の棺桶だったらそのまま炉に入れることができるといっていましたが、大型犬になると入るサイズがすぐには見つからないので段ボールでもいいといっていました。
大型犬が入る箱はすぐには見つからない
クルトンの場合は、ホームセンターを回りましたがどうしても体が入るサイズが見つかりませんでした。
見た中では一番大きかったタライを2500円で買ってみましたが、やはりこれでも長さが足りず入りず。

86×66×34Hの立派なタライ。結局使うことはありませんでした。来年ポメラニアンたちのプールにしようかな。
シニア犬をもつ飼い主さんだったら、万が一の時のためにあらかじめ棺を買っておくのもいいと思います。
しかし、大型犬となると棺だけでかなりの金額になってしまうんですよね。
災害用レスキューシートで巻いてあげてもいいと思う
我が家では、少しでも冷気が逃げないようにタオルを上からかけていました。(タオルではおそらくあまり意味がありませんが)
棺がすぐに用意できなかった場合を想定して、保温の性能が高い災害用のレスキューシートのようなものを準備しておけばよかったと思っています。

以前は100均に売っていたのですが、今回クルトンの上に覆ってあげたいと思って探しても見つけることができませんでした。
ひとつ100円ちょっとと安いものですし、使わなければ防災グッズとして置いておくことができます。
わたしは登山の時によくこれをもって登っていました。(山頂での保温に)
レスキューシートは結構万能なので、ひとつ持っていて損はないと思います!
事前の準備で、遺体の傷みを最小限に抑える
今回クルトンを亡くして、ペットの死も人間の死と同じくらい事前の準備があったほうがいいと感じました。
死後どうしても悲しみのほうが勝ってしまい、死後の処置をテキパキとこなせるような精神状態ではありません。
しかし、時間が経つにつれてどうしても遺体の傷みは進んでいきます。
クルトンが少しずつ変わっていく様子を見るのはすごくつらいことでした。
いつかくる死を見据えて準備をするというのはあまり嬉しいことではありませんが、事前に準備をしておくだけで死後の腐敗を少しでも遅らせることができます。
それだけ、愛犬の最後の姿をきれいに保っておくことができます。
自分も、もっと事前にいろいろなことを知っていればよかったと思いました。
いつか必ず来る愛犬の死に対して「何を知っておくべきか」「何を用意しておくべきか」、この記事がそんなことを考えるきっかけになればいいなと思います。